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【ネタバレ】「おおかみこどもの雨と雪」のあらすじ・感想。避妊の大切さを教えてくれる映画

現代日本を代表するアニメーション監督である細田守。
彼のオリジナル長編アニメ第2作であり、初めて脚本も手がけた作品「おおかみこどもの雨と雪」を観ました!

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(出典:https://www.youtube.com/watch?v=6etBUwJsAYE)

ファンタジーテイストあふれる家族ドラマとなった今作、
いったいどんな内容なのでしょうか?
ネタバレありで感想を書いていきます。
まずはあらすじと基本情報からどうぞ〜!

「おおかみこどもの雨と雪」のあらすじ・基本情報

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(出典:https://www.youtube.com/watch?v=vTj1-Bu4PWE)

【あらすじ】
東京の大学に通う大学生・花は、ある日の講義で教科書も持たず必死にノートを取る青年を見つける。
彼の周りの学生たちと異なる雰囲気に惹かれ、花は彼に話しかける。
それがきっかけで2人は急速に距離を縮め、同棲する仲になるが、なんと彼の正体は「おおかみおとこ」だった。
彼の秘密を受け入れ、さらに「雪」と「雨」というふたりの子供まで授かった花。
しかし、ある豪雨の日に突然彼が死んでしまう。
おおかみの血を引くふたりの子供を育てるため、花は自然の豊富な田舎へと引っ越すことを決意する……

【キャスト・基本情報】
監督: 細田守
声の出演: 宮崎あおい、黒木華、大沢たかお、菅原文太
上映時間: 117分

ネタバレあり感想。主人公たちの倫理観が謎すぎる!

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(出典:https://www.youtube.com/watch?v=vTj1-Bu4PWE)

「おおかみこどもの雨と雪」、登場人物たちにすんなりと感情移入できた人はどれだけいたんでしょうか。
僕は序盤から、母親の花にぜんぜん感情移入できなくてびっくりしましたよ。

というのも、"おおかみの血を引く秘密を知られてはならない"って掟を重要視するあまり、
花の行動がぜんぜん子供のことを考えてない結果になっちゃってるからです。

出産のシーンからまずもっておかしくて、夫婦は長女の雪を自宅で出産することを選ぶのですが(助産師にも頼らずに!)
その理由が「おおかみの姿の子供が生まれたら、お医者さんがびっくりするから」だって言うんですよ。
いやどういうことだってばよ!
そこは「子供に何があるかわからないから」とかのセリフにしないと客がついてこれないし、なにより子供より医者とか掟を優先しちゃってんのはどーよ。
「花が雪に語っている内容だから」という言い訳はきくかもしれないけど、わかりづらいってば。

「雪が病気になったときに、小児科か獣医かどっちに見せるかで悩む」って場面もギャグになってないでしょ。
そこはどっちでもいいから医者に連れていかないと手遅れになるかもしれないんだぞ?
子供の命を優先するべきだろ!

"おおかみこども"という特殊な子を授かり、掟を守りながら女手ひとつで子育てをする花。
ほんとであれば観客が自然と応援したくなるキャラクターのはずなのに、
彼女の行動があまりに雪と雨のことを考えていないので
「薄情な母親」「周りに頼るのが下手くそすぎ」ってな風に見えてしまうんですよねぇ。

子供への予防接種すら受けさせてないみたいだし、そりゃ児童虐待と言われても仕方ないよ

花の異常なまでの献身は、もはやドン引きするレベル

おおかみの秘密を守るために誰からの手助けも受けず、雪と雨を育て続ける花の姿は、
感動を通り越してドン引きするレベルです。
せっかくの大学を中退して、彼ののこした貯金を切り崩しながら兄弟の面倒をみて、
ところかまわず変身してしまうふたりを遊ばせるために、早朝の公園まで散歩にでかけ、
洗濯はもちろん、食事も市販品に頼らずイチから手作りして……


もういいから休めよ! 頼れる友だちとかいないのかよ!!


田舎に引っ越してからも、自分だけで廃屋のリフォームから畑の手入れからすべてやってしまうし、
これ普通の人なら耐えられないんじゃないの。

どんなつらい状況でも、亡き父親の「無理してでも笑っていれば、たいていのことは乗り越えられる」との教えを守り、
声を演じる宮崎あおいそのまんまのアヒル口で笑みを浮かべながら子育てに取り組む花。
なんだか、「いつでも笑ってろ」ってのが呪いのように思えてきてしまいます。

韮崎のおじいちゃんが「なんで笑うんだ。へらへらするんじゃない!」と一喝してくれたときには
「おっ? ひょっとして今までのは前振りで、花の行動がここから変化するのか?」と期待したんですが、
結局は韮崎のほうが花に丸め込まれてしまう始末……

運良く韮崎に気にいられたがために、花は村の人達から手助けしてもらえるようになるんですが、
これだって花がそこそこ愛嬌のある若い女性だったからじゃないの……と邪推してしまいますわ。
役場の人の話では、韮崎はあまり人当たりのよくない人物だったみたいだし、
花のなにかしらの行動が彼の心を動かした、というお話でないと、韮崎の人物像すら薄っぺらく見えてしまうよねぇ。

自分のプライベートを完全に犠牲にして子供のために尽くし続けた花が、
ラストシーン近くで雨に語りかけるセリフを聞くと、もう胸が痛みます。
自らをとことんまで追い込み、それでもなお働き続ける過労死寸前の社畜を見ているかのよう。

子育てものの物語って、子供の成長が親にとっての喜びとして描かれるのが普通だと思うんですけど、
「おおかみこどもの雨と雪」に関しては、
「子育て = 呪縛」「子供の成長 = 呪縛からの解放」のように感じられちゃう。

花がここまでの呪縛になぜとらわれてしまったのか、原因は簡単ですよね。
避妊せずにセックスした「おおかみおとこ」のせいじゃん。

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(出典:https://www.youtube.com/watch?v=vTj1-Bu4PWE)

ぜんぶこいつが悪い

子供つくって、子育ては母親にまかせて、突然いなくなってしまう無責任な男……
"彼"は不慮の事故で死んでしまっただけにあまり責められないかもしれないけど、
それにしても花がまだ学生だというのに子供つくって休学させて、しかも年子の子供までつくっちゃうというのは、
なんだかなぁ〜 家族計画とかないのかなぁ〜 なんて考えてしまいました。

「大事なパートナーを花みたいな目にあわせたくなかったら、ちゃんと避妊しようね!」
って意味の映画なのだと思いました、はい。