今日紹介するのは「シェイプ・オブ・ウォーター」!
2017年のベネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得、第90回アカデミー賞には最多の13部門にノミネートと、いま最高に話題となっている作品です。
→「作品賞」「監督賞」「美術賞」の3部門を受賞しました!!(2018年3月5日追記)
10点満点中8点
あらすじ
冷戦下のアメリカ。イライザは政府のとある研究所で掃除婦として働いている。
彼女は幼少期のトラウマから声が出せない状態にあった。
ある日、水槽に入れられた奇妙な生き物が研究所へと運び込まれてくる。
アマゾンの奥地で神として崇められていたという"彼"に興味をもつイライザ。
互いに言葉を話すことはできなくても、手話やダンス、音楽などで次第に心を通わせていく。
ところが、"彼"の身には重大な危機が迫っているのだった……
以下、映画の見どころや感想を書いています。具体的なネタバレはありませんが、前情報を知りたくない方はご注意ください!
声を失った女性と、半魚人とのラブロマンス!? しかもエロい!
この映画は、人間と半魚人との恋を描いた、異色の恋愛映画です。
監督のギレルモ・デル・トロ自身は、本作を「大アマゾンの半魚人」から着想したと語っています。
あの半魚人とヒロインがもし結ばれていたら……。
そんなイメージから実現したのが「シェイプ・オブ・ウォーター」です。
で、半魚人と人間のラブストーリーっていったいどんな風になっちゃうのよ?
って皆さん気になりますよね。
そもそもどうやって恋に落ちるの?
もし両想いになったとして……その、"できる"んですかい? とか。
その辺、ちゃんとデル・トロ監督は描ききってます。
まず、半魚人の造形は元ネタの「大アマゾンの半魚人」とは異なり、かなりキュートになってます。
予告編にもチラッと映ってますけど、目がつぶらでカワイイですよね。
これなら話が通じそうかなって感じがします。
首から下の造形がこれまたカッコイイんですよ!
詳しくは劇場で観てほしいんですが、要はこの半魚人、ベイビーフェイスに細マッチョ体型という……つまりイケメンなんですわ。
場合によっちゃ恋心を抱くこともありうるな、って説得力があります。
デル・トロ監督は「『美女と野獣』を"見た目は関係ない"っていうテーマ通りに作りました!」とインタビューで語ったそうですが、ヒロインはともかく半魚人のほうは割といい見た目じゃないかな〜。
もちろん見た目だけじゃなくて、二人が恋に落ちる内面的な理由にも説得力があります。
ヒントは、イライザと"彼"の共通点ですよ。
そして、"できる"かどうかについて。
これもなんと、半魚人とヒロインのベッドシーンが用意されてます!
いや正確には"ベッド"シーンじゃないんだけど、とにかく行為の場面がちゃんとあるんですわ。
これがいかにも倒錯的でエロい。
でも全然いやらしくはない、
むしろイライザと"彼"が結ばれたことに対する喜びや、
「あ、あぁ〜そうなってるのね!」という感心(?)を覚えるという、絶妙な作りになっております。
お楽しみに!
主演ふたりのセリフなし演技がすごい!
俳優陣で注目してほしいのは、なんといってもイライザ役のサリー・ホーキンス、そして"彼"を演じるダグ・ジョーンズのセリフなし演技!
ふたりが心を通わせていく様子、イライザが"彼"を守りたいという気持ち、それらが表情や手足の動きだけで如実に感じ取れます。
イライザなんか、最初は特に華の無い掃除のおばちゃんだったのに、どんどん魅力的に変わっていきますからね。注目です。
"彼"に至っては、声はおろか表情すらあまり変えられないという制約がある中で、イライザに対する感情の変化をひとつひとつの仕草で丁寧に表現してます。
個人的にグッときたのは、予告編にもちょこっと映っている、背中で語る場面ですね。
あそこで"彼"が何を感じていたかを想像すると涙が……。
セリフなしのラブストーリーというと、真っ先に思い浮かぶのは北野武監督の「あの夏、いちばん静かな海。」なんですが、
あちらが全編通して静謐さに満ちていて主人公の感情がわかりにくかったのに対し、
こちらはかなり情熱的。
声が無いからこそ、それ以外の部分でコミュニケーションを取ろうとする二人の強い気持ちが伝わってきます。
見比べると面白いかもしれませんね〜。
っというわけで「シェイプ・オブ・ウォーター」、恋愛映画はいつも敬遠してるという人にこそオススメの恋愛映画です。 日本での公開は2018年3月1日ですよ!
(2018年6月追記)
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