ヒュー・ジャックマン主演、「ラ・ラ・ランド」の製作チームによるミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」を観ました!
10点満点中4点
あらすじ
主人公のバーナムは、妻と2人の娘と慎ましく暮らしながら、いつかビジネスで成功する日を夢見ていた。
ある日彼は、特別な個性をもった人々を集め、誰も見たことのない"最高のショー"を開くことを思いつく。「フリーク(=奇形)」と呼ばれる人々を主役にした彼のサーカスは大人気となるが、同時に快く思わない人からの批判も集まるようになっていた。
さらなる名声を求めたバーナムは、イギリスで出会ったオペラ歌手ジェニー・リンドとともに一大ツアーを敢行する。興行師としてますます成功していくバーナムだったが……。
以下、映画の感想です。内容の具体的なネタバレは避けていますが、鑑賞前の方はご注意を!
ずーっとサビばっかりの音楽を聴いてるみたいな映画
「グレイテスト・ショーマン」を楽しみにしている方の多くは、あの予告編にがっしり心を鷲づかみにされちゃったんじゃーないでしょうか!
実際この映画、映画が始まった瞬間から全力で観客の心をつかみに来ますからね。こんなテンション上がる導入ある!? と一気に引き込まれました。開始30秒だけでもお金払う価値がありますよ。
ただし、そこから先の流れはいかんせん、過剰というかやり過ぎというか……。
まず、よく言えば名曲、悪く言えば「売れそうな歌」が3曲一気に続きます。それに合わせてのダンスと背景も、「ラ・ラ・ランド」の輝くような世界を彷彿とさせると言えば聞こえがいいものの、どちらかと言えば「キラキラしたものを詰め込みました」って感じ。
特に、バーナムと妻のチャリティがアパートの屋上で踊る場面なんか、「やたら大きい月」「はためく布」「貧乏だけど幸せなふたり」と、あまりにアイコンてんこもりで、ひょっとして僕らは「ミュージカルあるある」を見せられてるのか? という気分になってしまいました。
本作のストーリーは、残念ながら「ラ・ラ・ランド」ほど起伏があるわけでなく、かなり平凡なお話です。そのためか、映画そのものがかなり音楽に頼りっきりのような印象を受けました。
音楽は非常にキャッチーだし、名曲揃いです。映像も心をかきむしられるほどキラキラ。予告編にも出てる、ザック・エフロンとゼンデイヤが2人で見せるダンス(というかサーカス?)のシーンなんかその極地で、単体で見ればとても良くできてますよ。
ただ、いかんせん映画全体が「キャッチーな音楽、盛り上がるダンス」の繰り返しなもんで、ずーっとサビばっかりの音楽を聴いてるみたいな気分になっちゃいました。トータルでは楽しい雰囲気の映画なのに、なぜか上映時間が長く感じるという謎現象。
もっとストーリーにひねりがあれば、楽曲の印象もずいぶん違ったと思うんです。たとえばせっかくフリークという個性豊かなキャラクターがいるのだから、もう少し彼らの背景を掘り下げてもよかったと思うんですよね〜。
しかしながら、音楽は名曲揃い、歌詞もポジティブなので、「グレイテスト・ショーマンを観て元気になった!」という人もたくさん出ると思いますよ。「ラ・ラ・ランド」のサントラが大好きというファンには合う映画かも。脚本の魅力を求めて観に行くとガッカリする可能性が高いですのでご注意くださいませ。
日本での公開は2018年2月16日です!