マーベル・スタジオの最新作「ブラックパンサー」を鑑賞してきましたよ〜!
本国アメリカでは超のつく大ヒットになってますね。
映画批評まとめサイトRotten Tomatoesでは、記事執筆時点で批評家の満足度97%と、とんでもない数字が叩き出されてます。やべーやべー。
ですが……ごめん! 正直に言って僕はあんまり好みじゃなかった。
具体的に言うと、映画のかなり序盤で設定に納得いかなくて置いてけぼりを食っちゃったんですよねぇ。
10点満点中5点
↓以下、映画のネタバレを含みます! 映画鑑賞後にお読みになることをオススメします。↓
重要な設定に納得いかなくて映画世界に入っていけず……ごめん!
まずワカンダの王位継承の儀式、あれいくらなんでも野蛮すぎねぇ?
勝利によってブラックパンサーの称号は本物となる……いいでしょう、それくらいは。
でも槍や剣まで使った殺し合いする必要あるの?
この儀式が何百年続いてきたかしらないけどさ、よく国が滅びなかったよね。
すげーケンカの強いやつがひとり出てきて、そいつが王様になっちゃったら終わりだよ?
とか思ってたら、ほら!
実際キルモンガーがティチャラに勝っちゃってえらいことになるじゃん!
あんなシステム的欠陥をずーっと放置してきたのかよと。
このせいで割と映画序盤から世界設定についていけないモヤモヤを抱えることになりました。
そもそもワカンダの国の成り立ちからして、対立してた5つの部族が力を合わせて統治することにしましたってことじゃなかったの?
なのに大事な王様を決める儀式はガチの殺し合いなのかい。
あと、ヴィヴラニアムがあるから科学が発達してるってのもよくわかんない。
石油とかダイヤモンドの比喩らしいけど、「資源の使い方さえわかってればアフリカはもっと豊かだったはず」ってことなんかなぁ……。
それならいっそ「太古の昔にエイリアンが飛来してテクノロジーを伝えた」って設定にした方が説得力あったのでは。
……いや、スーパーヒーロー映画の設定にこんなツッコミを入れることが野暮だってことくらいわかってる!
わかってるけどツッコみたくなるくらい世界観に乗り切れなかったんですわ。
ほかのみんなは気にならないのかな?
もうひとつ疑問なのは、あのハート型のハーブって何の意味があったの?
ブラックパンサーの超人的な力の源みたいな描き方されてたけど、あの力ってほとんどスーツのおかげじゃない?
だって生身だとハーブ飲んでないキルモンガーに負けちゃってるわけだし。
最後にこれは大変個人的な問題で申し訳ないんですが、音楽が好みじゃない。
ごめんねごめんね。
アフリカ伝統の打楽器とか、ヒップホップ中心の選曲とか、どーも受けつけられなかったのだ。
でもエンディングテーマは好みだったよ!
エンドロール映像も艶っぽい紫色がフィーチャーされてて好き!
……そうか、僕がHIPHOP派じゃなくてR&B派だからいけないんだ。きっとそうだ。
歴史に残る映画ってのは理解した!
……と、完全に僕の好みではなかった「ブラックパンサー」ですけど、これが映画史に残る作品だってことはよくわかりました。
主役から脇役までほとんどがアフリカ系の映画を、ハリウッドがスーパーヒーロー物で撮った。
これって確かにものすごいことです。
スパイダーマン、キャプテンアメリカ、超人ハルク……。
今までのスーパーヒーロー映画は当然のようにずーっと白人が主役でした。
黒人は出てきても脇役か敵役。陰に追いやられ続けてたんですよね。
それが「ブラックパンサー」では、アフリカ系ヒーローが大活躍するばかりか、アフリカの技術にアメリカが圧倒されるってストーリーなわけですよ。ひえー。
女戦士・オコエは「アメリカ人は嫌いだ」って言動を繰り返すし、
キルモンガーは「ワカンダの技術を使って世界中の黒人たちを解放する。おれたちが頂点に君臨するんだ」と宣言する。
西洋社会で苦難の歴史を歩んできたアフリカ系民族の立場からすれば、こういう映画が大々的に公開される時代になったってのは感慨ひとしおでしょう。
また、今でも根強く黒人差別が残っているアメリカの人々にとっては、時代の変化を強く感じさせる一本であることに間違いありません。
ただ、ヒーロー映画としてはそこまで楽しい映画じゃなかったです……。
アクションの爽快感を期待するなら、韓国での格闘&カーチェイスは楽しかったけどほかはそれほどでもなかった。
ブラックパンサー初登場の場面なんて、暗くて何が起きてるのかよくわからんし。
話もけっこう重苦しい内容で、見ててかなりしんどい。
ガチの戦争映画みたいな鑑賞後感。
それが悪いとはいわないけど、かっちょいいヒーロー映画を期待していくと裏切られると思う。
うーん、ここまで世間一般の反応と自分の感じ方が乖離している作品も珍しかった。
スーパーヒーロー映画観るの向いてないのかもしれんとすら思ったなぁ。