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映画「エモジ・ムービー」のネタバレ感想。ネットで酷評の問題作、その中身はいかに!?

まさかまさかの「絵文字」を主人公にしてしまった映画、「エモジ・ムービー」を鑑賞してきました!

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(出典: The Emoji Movie - Official Site | Sony Pictures)



この作品、すでに酷評の嵐が巻き起こっておりまして、映画レビューサイト「ロッテン・トマト」では満足度が100%中たったの8%しかなく、YouTube に投稿された予告編には11万を超える低評価がついています。

ここまで叩かれている映画ってどんだけひどいんだ……と、ある種の怖いもの見たさに押されて観に行ってまいりました。

以下、あらすじと、ネタバレ込みで感想を書いていきます!

あらすじ

スマホの中にある、絵文字たちが暮らす街「テキストポリス」。そこに住む少年・ジーンは、無関心を表す絵文字 😒 として生まれたものの、笑いや悲しみなど、ほかの表情を持ちすぎているという問題があり、両親から心配されていた。それでもジーンは「自分が立派な絵文字であることを証明してみせる!」と、絵文字たちが働く場所・テキストセンターへと向かう。

テキストセンターでは、たくさんの絵文字たちが自分の出番を待っていた。持ち主のアレックスが絵文字を使うときは、巨大なスキャナが動き、担当の絵文字の表情を読み取って送信するという仕組みなのだ。

ところが、ジーンは自分の出番が来たことに驚いてパニックに陥り、むちゃくちゃな表情をしてしまう。きちんと仕事ができなかった彼は「不正プログラム」だとみなされ、ウィルス駆除ボットによって消去されそうになる。

逃げ出した先でジーンは、以前はアレックスのお気に入りだったが今はまったく出番のない絵文字・ハイファイブ✋と出会う。彼の話では、スマホの外に「クラウド」と呼ばれる領域があり、そこに行けば再プログラミングを行って正しい絵文字に生まれ変わることができ、ハイファイブも出番の多い絵文字が集う「殿堂」に戻れるのだという。

テキストポリスを抜け出したジーンとハイファイブは、伝説的なハッカーの少女、ジェイルブレイクを見つけ出す。彼女もまた、スマホの外に出てクラウドで暮らすという夢を持っていた。こうして3体の絵文字はクラウドに抜け出すための旅に出るが、その背後にはウィルス駆除ボットの追手が迫っていた……!


↓以下ネタバレを含みます↓

子供向けとしてはそこそこおもしろかったよ!

映画全体の印象ですけども、そんなに酷評するほどひどくは無かったですよ。むしろ、小さい子供が親と一緒に観るなら、じゅうぶん楽しめる作品だと思います。

この映画、主人公たちがスマホのアプリを渡り歩いて冒険を進めるって流れになってるんですね。予告編に出てくるキャンディクラッシュとか、YouTube、Facebook、Instagram などの有名アプリがたくさん登場して、いくつかは物語のキーにもなってくる。

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(出典: THE EMOJI MOVIE - Official Trailer (HD) - YouTube)

音楽ストリーミングアプリ「Spotify」の水流(ストリーム)に乗って船で下っていくシーンなんかシャレがきいてて映像もきれいだったし、ボットに連れ去られたジーンを、ハイファイブとジェイルブレイクがツイッターの鳥に乗って追いかけるところも、ツイッターのヘビーユーザーたる自分からすると大興奮でした笑

それにしても、YouTube の場面でまさかピコ太郎が出てくるとは思いませんでした。唐突のPPAPに悶絶、腹抱えて笑い転げましたわ。

まだ子供のアレックスのスマホに「ドロップボックス」が入ってたり(今の子供は使うの?)、中国で人気の「WeChat」がインストールされてたりしたのは、物語やマーケティングの都合を感じさせる部分ではありましたが……。


ただですねー、やっぱり気になるのは「絵文字は常にひとつの表情を維持しなければいけない」という設定ですよ。テキストポリスでは、笑いの絵文字😁 は脚を骨折しても笑ってるし、泣き顔の絵文字😢 は宝くじが大当たりしても泣きっぱなしなんです。

だから、ジーンは「そんなにいろいろ表情を変えるんじゃない」と説教されるんですけど、この設定のおかげで、

テキストポリスの住人のほとんどがサイコパスに見えるわけです。楽しいときもつらいときもずっと表情変えない連中なんておかしいでしょ!

まぁそのおかげで、いつも笑いながらジーンの抹殺方法を考えている敵キャラ・スマイラーの気味悪さが成り立つんですけど……。

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つまり、観客の視点からすると、テキストポリスはものすごく居心地悪い場所に映るんです。

ところがジーンは「ふつうの絵文字になって、テキストポリスに戻る」ために冒険をするわけですよ。絵文字がいろんな表情をしてもいいじゃないかと周りに認めさせるわけではなく。

だから観客は「いやいや、別に普通の絵文字になんかならんでええやん」としか思わないし、ジェイルブレイクが「あなたはそのままで素敵よ」と語りかける重要なシーンでも「うん、そうだよね」としか思えない。

当のジーンも、冒険の中でもふつうにコロコロ表情を変えてて、別にそれを負い目に感じてるようにも見えない。「あれ、こいつそれほど自分の表情のこと気にしてなくね?」って印象がしちゃうんですね。

だから、主人公の目的にどうにも同調できないままストーリーが進んでいってしまう感は否めません。

とはいえですね、スマホアプリのサイバーで多彩な世界を渡り歩く展開は見ていて楽しいし、懐かし洋楽ポップスに乗ってキャラクターが踊りまくるお決まりの展開あり、最後もキャラクター総出演のダンスパーティーで大団円と、映画の盛り上がりのフォーマットには則っているので、なんかいい映画を見た感じにはなりました。

僕が観た回では、観客のほとんどが小学生以下の子供連れでしたけど、上映後には子どもたちが興奮して踊り狂ってましたからね。変に深読みしなければ「まぁまぁ面白かったね」と言える映画なことは間違いありません。

まとめると、この映画、必要以上に叩かれすぎだぞ! みんな叩くならちゃんと観に行ってからにしようぜ。(日本での公開は未定だけど……。)

そして、手のひらに目と口がくっついてるという衝撃のキャラ・ハイファイブのキモさの虜になればいいと思うよ。

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(出典: The Emoji Movie - Official Site | Sony Pictures)