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ニュージーランド発の映画ブログ

「カンフー・パンダ」運と才能のある奴には勝てないって話?

おデブのパンダが大活躍するコメディー・アクション・アニメ。アニメならではの格闘シーンは相当おもしろいが、後述の通りラスボス戦がどうにも納得のいかない進行で、真剣に見てる人ほどがっかりするのではないか?

カンフー・パンダ [Blu-ray]

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パンダのポー(ジャック・ブラック)は、カンフーの達人に憧れながらも、現実は父親のラーメン屋を手伝うしがない日々。


一方、カンフーの総本山であるジェイド・パレスでは、カンフーの始祖・ウーグウェイ導師(ランダル・ダク・キム)が、かつて麓の村を襲った凶暴なカンフー使い・タイラン(イアン・マクシェーン)が刑務所から脱獄するとの啓示を受けていた。


タイランを止められるのは、伝説の「龍の戦士」しかいない。龍の戦士を見出すため、マスター・タイガー(アンジェリーナ・ジョリー)やマスター・モンキー(ジャッキー・チェン)らがウーグウェイ導師の目の前で試合を繰り広げるが、ふとしたアクシデントがきっかけで、ポーが「龍の戦士」として選ばれてしまう。


興奮するポーに対して、まったく納得のいかないシーフー老師(ダスティン・ホフマン)だったが、実際にタイランが脱獄してしまい、龍の戦士となるべく必死の修行が始まる……!

シーフー老師の厳しい修行に耐え抜いてきたカンフーの達人たち、マスター・ファイブを差し置いて、マジでたまたまそこに居合わせただけのポーが「龍の戦士」に選ばれるところから話が始まるんで、まー、しょっぱなから主人公に感情移入できないわけですよ。

中国が舞台なのに、このパンダが超失礼なのよ。シーフー老師やマスター・ファイブにろくに礼もできないわ、厳しい修行には全然やる気を見せないわ、いざとなったら逃げることしか考えてないわで、ここからちゃんとタイランを倒す展開にもってくんだよな! と心配になってくる、笑

泰然自若としているのはウーグウェイ導師だけ。「There is no accident(すべては必然である)」と、ポーこそ龍の戦士だと信じて疑わない。ただし彼も、あとのことをシーフー老師に託して途中退場してしまうので、おいおい言うことだけ言っといて無責任すぎないかって感じである。

ところが、ポーの才能が開花してからのアクションシーンはことごとくおもしろい。シーフー老師との肉まんをめぐる攻防はさながら箸による指先のカンフーだし、タイランが1000人の衛兵相手に無双を決める脱獄シーンは緩急のつけ方が見事。マスターファイブとタイランの吊橋での対決はまさにアニメならではの仕掛けをぶっこんだ名場面で、忙しい人はここだけ観てもいいんじゃないですかね。

が、が、が、肝心のポーとタイランの対決がどーーーーにも消化不良で、盛り上がらない。ポーは伝説の龍の戦士とはいえ、ごく短期間しか修行してないはず。なのにタイランといきなり互角に渡り合ってるのはいかがなものか。むしろタイランが異様に弱くなってる印象さえ受ける。これじゃマスターファイブがあまりに不憫である。

せめて、タイランに一度ボコボコにやられて修行をやり直すくらいの展開があればよかったのに……と思ってしまうが、そもそもジャック・ブラックを主役にすえたアクション・コメディなわけで、そこまで考えるのは無粋というものかもしれない。