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【ネタバレなし】「アイ、トーニャ」の感想。痛快なのにやるせない、ブラックコメディの傑作!

今日紹介するのは「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」

伝説のフィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの壮絶な人生を疑似ドキュメンタリー形式で描いた作品です。

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(出典: 映画『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』公式サイト)

あらすじ

トーニャ・ハーディング。彼女は1991年の全米選手権で、アメリカ人女性として初めてトリプルアクセルを成功させた、トップクラスのフィギュアスケーターだった。

しかし1994年、彼女のライバルであったナンシー・ケリガンが何者かに襲撃され脚に重傷を負う。トーニャはこの事件に関係していたと発覚し、スケート選手としてのキャリアを完全に閉ざされてしまうこととなった。

オリンピックにも出場するほどのトップ選手だった彼女が、なぜそんな事件を引き起こしたのか? トーニャ、彼女の元夫、母親などの関係者の証言から、事件の背後にあった物語が明らかになっていく……。




以下、映画の見どころや感想を書いています。具体的なネタバレはありませんが、前情報を知りたくない方はご注意ください!

痛快で笑える! だからこそ、最後の最後はやるせない

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(出典: I, TONYA [Official Trailer] – In Theaters Now - YouTube)

この映画の印象を表すには、痛快の二文字がぴったりです!

主人公のトーニャはとにかく型破りな人物で、スケートの腕前は超一流ながら、人間としてはかなりサイテーの部類。口汚いわワガママだわで、一緒に過ごしてたらノイローゼになるくらい気分屋です。

にもかかわらず、映画を観ていると、どんどんトーニャのことを応援したくなってきちゃいます。きっと、自分の気持ちを隠さず正直に生きているトーニャが魅力的だからでしょうね。「スコセッシ風のアンチヒーローのようだ」と評したメディアがあったようです。言い得て妙!

映画全体ではかなり“痛い”シーンが多いんですけど、それでもポップな音楽と軽快なカメラワークの連続、さらに毒の効いたコメディ演出のおかげで、暗くならないどころか笑えるシーンも豊富です。「デッドプール」 が好きな人なら気に入ると思う。

そして笑える映画だからこそ、余韻も尾を引くってもんです。これだけ痛快な映画なのに、僕はとんでもないやるせなさを感じてしまいました。スケーターとしての未来を奪われてしまったトーニャ。それから彼女が選んだ道と、その理由がもう……あああああ(じたばた)

登場人物がみんなゲス!でも魅力的!

「アイ、トーニャ」、実在の人物を下敷きにした作品ながら、登場人物のキャラ立ちが強烈。そろいもそろってゲスばっかです。でもみんな嫌いになれないのよ!


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(出典: I, TONYA [Official Trailer] – In Theaters Now - YouTube)
まずは主人公、トーニャ。トップスケーターとして競技会を牽引しながらも、極度の負けず嫌いで傲慢な性格。

氷上での彼女はまるで天使のようにキラキラ。しかし採点が気に入らなければ審査員に暴言を吐いたりコーチにものを投げつけたり。せっかく全米選手権で優勝したかと思えばさらに傲慢になり、「わたしの大好きな冷凍パイが無いじゃない!!」と些細なことで夫に暴力を振るう始末。

でもそれは、自分にはスケートしかないという不安の表れでもあるんですよね。


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(出典: I, TONYA [Official Trailer] – In Theaters Now - YouTube)
トーニャの夫、ジェフ。最初は優しそうだったのに、同棲し始めた途端に暴力的な本性をあらわにするDV男です。こういう奴に限って、振られるとやたら粘着質になってストーカー化しちゃうんだよね〜。


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で、トーニャを言葉の暴力で支配する"毒親"、ラヴォナ。普通の母親が注ぐ愛情のかわりに、トーニャに徹底的にスケートを教え込み彼女をトップ選手に育て上げるわけですが、娘を自己実現の道具としか考えていないゲスさがぷんぷんします。どこか超然とした雰囲気も、人間離れしていてかなり怖い。美輪明宏っぽさある。

ちなみにラヴォナを演じたアリソン・ジャニーは、この役でゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞! アカデミー助演女優賞にもノミネートされました。渾身の"やな奴"演技は必見です。


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そしてトーニャのボディガードであり、事件の重要な鍵を握る男、ショーン。あほです。描かれ方があほすぎて、モデルになった本人がかわいそうになるレベル。でもなんだか憎めないんだよぉ〜。


この映画をもっとも楽しめる人は?

1991年当時、トーニャ・ハーディングのトリプルアクセルを見ていたそこのあなた! ぜひ「アイ、トーニャ」を映画館で観てください。なぜなら、あなたがこの映画を一番楽しめる資格があるからです。

映画序盤のワンシーンが、あとでまったく違う意味をもって見えてくるって演出、よくありますよね? 親切心から出たと思ってたセリフの裏に、強烈な悪意が潜んでいたとか、何気なく置かれた小道具に実は重要な役割が隠されていたとか。

それになぞらえていえば、この映画は27年越しの伏線回収ですよ。全米が、全世界が熱狂したトリプルアクセル。でもその背後には壮絶な物語が隠されていて、後に起こる悲劇の序章にもすぎなかった。この映画を観た上で、再度あのトリプルアクセルの映像を目にすれば、そこから当時とは大きく異なった別の意味を受け取れるでしょう。

もちろん、当時のことなんか覚えてない、あるいは生まれてすらいないって人でも大丈夫。

暴力セックスまた暴力、痛快なのにやるせない、ノンフィクション・ブラック・コメディにノックアウト!されちゃってください。

日本での公開予定は2018年5月4日です!
tonya-movie.jp